Crystals of snow story on parody

*紫陽花*

もし、光一朗と未知が恋人だったら・・・・

とあるマンションの一室。

梅雨の一日、空は蒼灰色にぼんやりと(よど)み、日中だと言うのに部屋は既に薄暗い。

商社に勤める光一朗の休みと、締め切りを間近に控える未知との生活パターンはなかなか噛み合わないが、お互い傍にいる、それだけで満足できる、何とも希有な恋人達なのでさほど問題は無いようであった。

「少し、休んだらどう?」

淡い水色のウエッジウッドに薫り高いダージリンを注いだ光一朗は、ソーサーに載せた茶器を両手に持って、仕事をしている未知の(かたわら)に運んだ。

光一朗の気配に、未知は色づけしているマーメイド紙からゆっくりと顔を上げて、ふんわりと微笑んだ。

光一朗は茶器を机に置くと、未知の細い銀縁の眼鏡をそっと取り、腰を屈め、桜唇(おうしん)に薄く形のいい唇をゆっくりと寄せた。

紫陽花(あじさい)だね?」

口づけに頬を染めている未知に光一朗は尋ねた。

未知の手元にある描きかけの絵は、煙るような雨にうたれて、薄紅色から自在に色を変えていく紫陽花が一面に描かれている。

しとしとと降る雨の音が、今にも絵から聞こえてきそうだ。

光一朗の問いに頷いた未知は、光一朗の手を取り、窓際へと誘導する。

ベランダへと続くブラインドを未知が巻き上げると、絵の中と同じように、しとやかな雨に濡れてたたずむ幾鉢かの紫陽花が彩色を放っていた。

「ああ、綺麗だね」

光一朗の笑顔に嬉しそうに頷いた未知を、光一朗は後ろからふんわりと抱き込んだ。

〈END〉

 

だ、だれよ〜、こんなリクをしたの〈笑〉

こ、これって喜んでいただけるの?それとも怒られるのかしら・・・・・・・・・

まあ、お遊びお遊び、啓士と正臣に五寸釘で打たれないことを祈っててください〈爆〉

 

※これも確か20000記念だったと思います〈爆〉