天の邪鬼２

好きな子をいじめるってのは、小学生までだよな、普通は。
否。アレに普通を求める方がおかしいのか・・・。
弟の方は未だ、可愛げと言うものがあるのにな。
否。アレに可愛げなどというものがあるほうが恐いか・・・。　
アレが僕をどんな目で見ているか。なんて、きかれなくても解る。
アレの目が僕を欲しいと言っているのが解る・・・・当たり前だろ、同じなんだからさ。
　
でも。素直になんてなってやんない。当たり前だろ？それが僕なんだからさ。
そんな僕に惚れたアレが全て悪いのさ。

「俺のこと、好きだろう？」と聞いて来るアレ。「大嫌いだ」と答える僕。
僕の「大嫌い」と言う言葉を聞いても少しもめげやしない。
それどころかニヤニヤ笑いながら「天邪鬼だな」何て言う。
でも「嫌いだろう？」とは聞いて来ない。それに僕はなんて答えるだろう。
「大好き」とでも言って見るか、とびっきりの笑顔をつけて。
「大嫌い」とでも言って見るか、とびっきりの笑顔をつけて。
そしたらアレはどんな表情（かお）をするだろう。
天邪鬼なのは一体どっちだ？と問い詰めたくなるほどのポーカーフェイスを崩せるだ
ろうか。

「・・・ふぅ」
・・・・・気が付くとアレのことばかり考えてしまう。
僕は自分が人をからかうのも、自分が人を空回りさせるのも、自分が人を動揺させるの
もすっごく
好きだけど・・・その反対はすっごく嫌いなんだよね。
だからその僕を、からかったり動揺させたりする人間なんて抹殺するべき対象にしか
ならない。
まぁ、でも大抵は抹消すべき対象にもならない人たちの方が多いけどね。
だってそうだろう。この僕を動かせる人間が早々いてたまるものか。
常々、僕が動く時は自分の楽しみの為だけって決めているんだからさ。
だから！この時点でアレは気づくべきなんだよね、本当は。っていうか、気付け！！

否。アレは気付いてるのかな？
気付いてるんだとしたら・・・・絶対に素直に堕ちてなんてやるもんかってね。
だって、僕は天邪鬼だからさ。・・・・アレと同じでね。

〈ＥＮＤ〉